2025年12月20日土曜日

イーグル症候群と脳梗塞ーのどの奥の骨が原因になることがあるって本当?

🦅 イーグル症候群と脳梗塞

― のどの奥の“骨”が原因になることがあるって本当?

「のどの奥が痛い」「耳の奥がズキッとする」「飲み込むと違和感がある」
そんな症状の原因として、あまり知られていないのが イーグル症候群(Eagle syndrome) です。

実はこの病気、まれではありますが 脳梗塞の原因になることがある ため、頭痛外来でも知っておきたいポイントがあります。


🦅 イーグル症候群とは?

耳の下あたりからのどの奥に向かって伸びる「茎状突起(けいじょうとっき)」という細い骨があります。

この骨が

  • 通常より長くなる
  • 靭帯が石灰化して硬くなる

と、周囲の神経や血管を圧迫して症状を起こすのがイーグル症候群です。

よくある症状

  • のどの奥の痛み
  • 耳の奥の痛み
  • 飲み込みにくさ
  • 顎の動かしにくさ
  • 顔面の違和感

「歯科?耳鼻科?どこに行けばいいの?」と迷われる方も多い病気です。


🧠 なぜ脳梗塞と関係するの?

茎状突起のすぐ近くには 内頚動脈 が通っています。

骨が長くなりすぎると、この血管を圧迫してしまい、次のような問題が起こることがあります。

脳梗塞につながるメカニズム

  • 内頚動脈が圧迫されて血流が低下する
  • 圧迫部位で血管の内側が傷つき、動脈解離が起こる
  • 血栓ができて脳の血管を詰まらせる

実際に、イーグル症候群が原因で脳梗塞を起こした症例報告もあります。

特に

  • 若い方
  • 原因不明の脳梗塞
  • 頭の向きで症状が変わる
    といった場合には、鑑別として重要です。

🔍 どうやって診断するの?

診断には CT(特に3D-CT) が役立ちます。

  • 茎状突起の長さ
  • 角度
  • 内頚動脈との位置関係

を詳しく確認できます。

必要に応じて CTAやMRA で血管の圧迫や解離の有無をチェックします。


💡 治療は?

症状の程度や血管への影響によって治療方針が変わります。

軽症の場合

  • 鎮痛薬
  • 神経ブロック
  • 生活上の工夫(姿勢・頭位)

血管への圧迫が強い場合

  • 茎状突起の切除手術(styloidectomy)
    → 脳梗塞の予防にもつながる根治的治療です。

📝 まとめ

  • イーグル症候群は「のどの奥の骨が長くなる」ことで起こる病気
  • のど・耳・顎の痛みの原因になる
  • まれに 内頚動脈を圧迫して脳梗塞を起こすことがある
  • CTで診断でき、必要に応じて手術で治療可能
  • 若年者の原因不明の脳梗塞では重要な鑑別のひとつ

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