2014年7月8日火曜日

未破裂脳動脈瘤の破裂率の予想

脳ドックなどで検査をしてたまたま脳動脈瘤が見つかることがあります(1−3%くらい)。以外と多いかもしれません。この脳動脈瘤は破れたり大きくならなければ症状を出すことはありません。ただ破れると生命を脅かす「くも膜下出血」を引き起こします。これまでのいろいろな報告で年間は裂率は1%前後と言われています。しかし、それぞれの脳動脈瘤は場所も違えば、大きさ、さらには年齢、血圧なども違い、同じように破裂する訳ではありません。
 UCAS Japan、SUAVe、Jikei Study、UCASIIや欧米の前向き研究をめた解析したPHASESから、
①5mm未満の脳動脈瘤の破裂率は低く、比較的安全な経過観察が可能
②7mm以上の瘤の破裂率は比較的高い
③前交通・後交通動脈瘤の破裂率は小型でも高い
④瘤の形も重要(不整は危険)
⑤女性・70歳以上・高血圧は破裂の関与因子
⑥発見後3〜6ヶ月の経過観察が重要
⑦日本人の破裂率は欧米人にくらべ3倍高い
最後にPHASES scoreをご紹介します。それぞれの点数を足して、下のグラフに当てはめると5年間の破裂率が予想できます。例えば75歳の日本人で5mmの中大脳動脈瘤であれば、3+0+1+3+0+2=9点で4.3%となります。

Lancet Neurol. 2014 Jan;13(1):59-66

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