頚動脈内膜剥離術(CEA:carotid endarterectomy)
脳卒中治療ガイドライン2009 より、
1.症候性頸動脈高度狭窄(>70%、NASCET法)では、抗血小板療法を含む最良 の内科的治療に加えて、手術および周術期管理に熟達した術者と施設において 頸動脈内膜剥離術を行うことが推奨される(グレードA)。
2.症候性頸動脈中等度狭窄では、抗血小板療法を含む最良の内科的治療に加えて、 手術および周術期管理に熟達した術者と施設において頸動脈内膜剥離術を行う ことが推奨される(グレードB)。
3.無症候性頸動脈高度狭窄では、抗血小板療法を含む最良の内科的治療に加えて、 手術および周術期管理に熟達した術者と施設において頸動脈内膜剥離術を行う ことが推奨される(グレードB)。
4.症候性頸動脈軽度狭窄あるいは無症候性中等度ないし軽度狭窄において、頸動 脈プラークの不安定化や潰瘍形成が認められる場合は、頸動脈内膜剥離術を行 うことは考慮しても良いが、それを行うことに十分な科学的根拠はない(グレー ドC1)。
手術技術、手術後管理が十分にできる施設で治療することが大切です。
1.全身麻酔をして頚部を切開、頚動脈を露出します。 |
2.頚動脈を一時的に閉塞して、切開を行います。 |
3.血流を流しておく為のチューブを挿入します。 これで、脳の血流はある程度確保されます。 |
4.動脈硬化病変(プラーク)を丁寧に剥離していきます。 |
5.奇麗にプラークを摘出できました。 |
6.後は血管を縫い合わせて、皮膚を閉じて終了です。 |
頚動脈ステント留置術(CAS: carotid artery stent)
脳卒中治療ガイドライン2009 より、
1.内頸動脈狭窄症において、頸動脈内膜剥離術の危険因子(表)を持つ症例に対し
て、頸動脈ステント留置術を行うことが奨められる(グレードB)。
2.内頸動脈狭窄症において、頸動脈内膜剥離術の危険因子を持たない症例において は、頸動脈ステント留置術を行うことを考慮しても良いが、十分な科学的根拠は ない(グレードC1)。
現在症候性50%以上、無症候性80%以上の狭窄病変が適応となりますが、それぞれの治療選択は、狭窄の状況(狭窄部位、プラーク性状)、全身合併症などからそれぞれの治療に危険が伴う程度を評価、さらに術者の技量などを総合的に判断することが必要です。頚動脈ステント留置術では、狭窄部のプラークが柔らかく不安定な場合、曲がっている病変では危険が伴うと言われています。しかし、道具の進歩もともない安全に治療が行えるようになってきております。
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